こんにちは 歯科衛生士の永江です☆
超高齢社会に入った日本では、さまざまな薬を服用している患者さんが増えたので、
新たな「副作用」の問題が出てきています。
その一つが、「骨粗しょう症」の治療薬として最もよく用いられている、ビスフォスフォネート”製剤です。 (主な製品名:ボナロン・ベネット・フォサマックなど)
日本には、総人口の10%を上回る1300万人の骨粗しょう症患者さんがいると推測されます。
2割の方が治療を受けていると仮定しても、100万人を超える方が、このビスフォスフォネート製剤を服用されていると推定されます。
世界中でも広く使われるようになっていますが、最近になって、ビスフォスフォネート製剤を服用していると、抜歯などの歯科治療を受けたことをきっかけに、
顎の骨が口の中に露出する顎骨壊死という副作用が報告されました。
服用中、または今後服用される可能性のある方はどんなことに注意しなければいけないのでしょうか。
ビスフォスフォネート製剤は、骨を吸収する破骨細胞を細胞死に至らせることにより
骨吸収を抑える働きをします。
身体に入ったビスフォスフォネート製剤の半分は、骨と強固に結合し、数年以上の長期にわたって骨組織に残ると言われています。
顎の骨、特に下顎は骨の吸収・形成が遅く、新しい骨に置き換わるのに長時間を要します
また炎症部位に集まる特徴を持っているので、歯周病の存在する顎骨に多量に長期間残りやすいのです
したがって、ビスフォスフォネート製剤服用患者の顎骨骨髄炎の直接の原因は、
細菌感染であると言えます。
歯周炎になっているところや抜歯などの歯科治療や入れ歯などでできた傷から
顎骨に細菌感染をきたし、骨髄炎を起こすことが原因なのです。
つまり、口の中を清潔に保つこと、細菌が多く繁殖していない口の環境を保つことが
この骨髄炎を防ぐのに一番重要であると考えられます
口の中を清潔に保ち歯周病を予防することで、顎骨に多量にビスフォスフォネート製剤を集めないことにも役立ちます。
これからビスフォスフォネート製剤を服用される方は、この薬剤の治療を始める前に、
歯科医に徹底した口腔内診査を行なってもらい、抜歯などの顎骨に及ぶ歯科治療を
終わらせておくことをお勧めします
また一般の方以上に口腔清掃状態を良好にしておく必要があります。
治療が始まってからも、定期的に歯医者さんで歯のお掃除をし、口腔衛生指導を
継続して行ってもらうようにしてください
今年に入ってビスフォスフォネート製剤服用者に歯科・口腔外科を受診される場合に、
提示していただくカードが配布されるようになっています。
治療を受ける際には、必ず、医師・歯科医に相談し、指示に従うようになさってくださいね
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